青年等就農計画が認定されると「認定新規就農者」になります。認定新規就農者になると、様々な支援を受けることができます。

営農開始に向けた具体的な計画が「青年等就農計画」です。市町村長に青年等就農計画が認められると「認定新規就農者」として、様々な支援を受けることができます。

青年等就農計画の作成ポイント

青年等就農計画には、次のような項目を記入することになります。

・どんな作物をつくるのか
・いつ、どこで農業を始めるのか
・いつ、どこで技術を習得するのか
・資金をどうするのか

また、次のような項目も必要です

・将来の農業経営の構想
・就農時、就農5年目の目標
・研修計画
・経営開始のための事業計画
・資金調達計画

アドバイス1

どの程度の経営が可能か、よく検討しましょう。
青年等就農計画を作成するためには、現在の自分の力で可能な経営について、十分な検討が必要です。計画の詳細や作成方法については、就農先の市町村や各地域の農業改良普及センターに問い合わせし、指導を受けながら作成しましょう。

アドバイス2

今後の生活を含めて、長期的な生活設計も立てましょう。
就農計画を作成する際には、就農後に 必要となる生活費について併せて検討し、長期的な生活設計を立てることも必要になります。

「青年等就農計画」の認定を受けて「認定新規就農者」に

市町村では、就農希望者が作成した青年等就農計画を審査し、その計画が適切なものとして認められる場合、青年等就農計画の申請者を「認定新規就農者」として認定します。「認定新規就農者」となれるのは、原則として申請時に18歳以上45歳未満、知識・技能を有する者(65歳未満)(ただし、農業経営を開始してから一定期間(5年)以内の者を含み、認定農業者を除く。)の場合です。「認定新規就農者」のメリットと申請の手続きは次の通りです。

・どんな作物をつくるのか
・いつ、どこで農業を始めるのか
・いつ、どこで技術を習得するのか
・資金をどうするのか

また、次のような項目も必要です。

・将来の農業経営の構想
・就農時、就農5年目の目標
・研修計画
・経営開始のための事業計画
・資金調達計画

認定新規就農者のメリット

認定新規就農者は、下記の助成等が受けられます。

①青年等就農資金(無利子融資)
②青年就農給付金「経営開始型」
③経営所得安定対策
④認定新規農業者への農地集積の促進
⑤基金助成事業

青年等就農計画の申請から認定までの手続

申請書のポイント

「農業経営改善計画」との整合性に留意しつつ、「青年等就農計画」と青年就農給付金の「経営開始計画」の一本化を図る。

【就農理由】
  農業を始めようと思った理由・きっかけを記載
【農業経営に関する目標】
  将来の農業経営の構想を記載
【経営管理に関する目標】
  簿記記帳、経営内の役割分担等の目標を記載
【農業従事の態様等に関する目標】
  家族経営協定に基づく家族間の役割分担胚葉等を記載
【現状の書き方】
  ・初年度の場合:1年目の見込み
  ・既に経営を開始している場合:計画作成前年の状況を記載
【目標の書き方】
  作成時に構想している自らの将来の農業経営の概要又は経営開始後おおむね5年後に達成すべき目標を記載

「認定新規就農者」から「認定農業者」へ

認定新規就農者制度と併せて、農業者を支援する制度のひとつに「認定農業者制度」があります。この制度は、市町村長が経営感覚に優れた農業者を育成するために、農業者自らが作成した「農業経営改善計画」を認定し、その計画が着実に達成されるよう支援していくものです。すでに農業を行っている人だけでなく、これから農業を始めようとする人も対象になります。次のような支援を受けることができるほか、各種の事業の対象者となりますので、就農先の市町村へお問い合わせください。

■支援内容
・スーパーL資金など、農業者のための制度資金の融資
・農地の利用集積や規模拡大についての支援
・経営改善に関する情報の提供
青年等就農資金、青年就農給付金(経営開始型)は受けられません

作目の選択のポイント

・耕種作物か、畜産(例えば酪農)か
・専作経営か、複合経営か
・作物は、資金によっても絞られます
・労働力と適正な規模も考慮しましょう

◆耕種作目(田畑で栽培される作目)と畜産(酪農)
畜産は、年間を通して生産が行われることから、収入も年間を通して得られますが、耕種作目は、限られた収穫時期にしか、収入が得られません。耕種作目を選ぶ場合は、冬場の収入をあてにしなくてもいいような経営規模を目指すか、冬場も収入が得られる施設栽培の導入を考える必要があります。

■耕種作目と畜産
 作目選択のための比較図

畜産(酪農)
耕種作目
前提
動物が好き
植物が好き
生産 年間を通じて生産 冬場も収入が得られる 限られた収穫時期にしか、収入は得られない。
検討課題
・冬場も収入が得られる施設栽培の導入
・冬場の収入をあてにしなくてもいい経営規模
●果樹の場合
 苗木を植えてから収穫できる成木になるまで5~6年以上の年月が必要
検討課題
・収穫できる果樹園の状態で借りることは非常に難しい

◆労働力と作目選択
農業経営の労働力は、経営が軌道に乗るまでは家族の労働力(夫婦2人)が基本になりますが、従事できる人数によっては、大根や白菜などの重量野菜など、取り組むことができる作目の選択肢も増えます。

◆專作経営と複合経営
以前は、なるべく自給して金銭支出を減らすために、何でも作る農家が多かったのですが、今では経営作目がひとつという「專作経営」が増えています。経営作目をひとつに絞ると優位なことが多いためですが、それによる短所もあり、複数以上の作目を組み合わせる「複合経営」を選ぶこともあります。有機農業の場合は、畜産と耕種作目を組み合わせた有畜複合経営に取り組むことも一つの選択肢です。

●專作経営の長所と短所

【長所】
・技術習得が容易
・大規模の効率性=スケールメリットの追求

【短所】
経営に致命的な打撃を与えるリスクが大きい
・災害・病気の発生
・値段の暴落

◆営農資金と作目選択
用意できる資金額によっても、作目選択は左右されます。一般に、多額の設備投資が必要になる畜産は、耕種作目よりも、経営開始のための資金が多く必要です。このほか、作目によって運転資金も異なります。生産のサイクル(生産の開始から販売まで)が短いほど運転資金は少なく、長いほどm運転資金は多く必要になります。

アドバイス

作物は必要な資金も含めて選択しましょう

平成18年に全国新規就農相談センターが実施した調査では、主な作目の就農時に支出した全国の平均額(生活費を除く)は、次の通りです。作目は、必要な資金も十分に検討してから選択しましょう。
・露地野菜・・・・・・・467万円
・施設野菜・・・・・・・818万円
・花き・花木・・・・1,238万円
・採卵鶏・・・・・・1,310万円
・酪 農・・・・・・1,954万円

就農先に地域振興作目がある場合の作物選択

新規就農者受け入れの積極的な市町村では、その市町村の地域振興作目を明示している場合が多くあります。就農する市町村を決めている場合は、その市町村の振興作目を選択した方がその後の展開が容易です。

土地条件等 施設・機械投資
稲作 稲作だけで生計を立てるには、大規模な面積の水田が必要 10ヘクタール規模の場合・施設や機械の設備投資など、2,000万円程度は必要※大型特殊の運転免許、機械整備についての知識も必要
露地
野菜
キャベツやだいこんなどの土地利用型野菜の場合生計を立てる目安として、畑が数ヘクタール必要 施設の投資は、ほとんどなくても可能。ただし、トラクターや運搬車などは必要
施設
野菜
小面積(10~20アール)でも取り組める。ハウスの移設は難しいので、条件の良い土地を選ぶこと トラクターなどのほか、10アール規模(100坪ハウス×3棟)の場合、約300万円の資金が必要。
花き 小面積(20~30アール)でも取り組めるが、生計を立てるには、相当の情報力と技術力が要求される。 露地で作ることが可能な品目もあるが、周年で生産できる上に、優れた品質とするには、加温施設が必要(10アールあたり2,000万円程度の投資)
果樹
(りんご)
生計を立てるには、2ヘクタール以上。北上山系地域や平坦地の転作田など、土層が深く水はけのよい土地を選ぶ。 わい化栽培がお奨め。植栽してから数年で収穫でき、栽培管理が容易である。ただし、初年度に植栽費用や防除機械の導入など多額の投資が必要。収穫年まで収入がないので、その間の仕事を確保すること。
畜産
(酪農)
岩手県を含む都道府県では6ヘクタールくらいから10ヘクタール程度の土地が必要。酪農家の離農跡地が見つかれば、資金が少なくても、能力とやる気があれば就農も可能。 高度に機械化された農業であるため、新たに始める場合にかかる資金の総額は最低でも5,000万円~1億円。そのほか、エサ代などの運転資金も必要だが、こうした資金には低利融資も活用できる。
有機
農業
小面積で生産が可能だが、土地や気候条件に左右されることから、同じ作物でも年によって生育状況は全く異なる。また、市場流通で価格形成されていないため、価格及び直売ルートを自分で開拓することで、生計を立てることになる。 基本的に一般栽培と同様の施設・機械が必要となります。栽培技術も一般の栽培管理に精通している必要があります。

■作目別の単年度収支の目安
主な作物別の単年度収支の目安は次の通りです。農業経営をイメージするために、活用しましょう。

1年を通じてこんな作物ができます。

ハウス栽培をすることにより、少ない農地で、1年を通じて生産・収穫することが可能です。しかし、一人の労働力では難しいものがあります。作目、人員などを含めた綿密な計画が必要となります

ポイント

岩手県では水稲、野菜、花き、畜産など多種多様な農産物を生産することができますが、新たに農業を始める場合、少ない農地でも効率的に生産できる作目を選ぶことが、早期の経営安定に結びつくことが多いようです。 特にビニールハウスを利用した施設園芸は、露地の野菜や水稲と異なり、年間を通じた収入を得ることができます。一方で、施設園芸は計画的な生産管理と高度な栽培技術が求められるので、就農前の十分な研修と綿密な計画作成がポイントとなります。

作目を選ぶ際のポイント
●利用可能な農地面積で作目を考えましょう(又は、作目に合わせた農地を確保しましょう)。
 →少ない農地で水稲を作っても所得は得られません。
●冬期間の所得確保を考えましょう。
 →施設園芸でボイラーを使用すれば周年で所得を確保することができます。難しい場合は、アルバイトなども生きるための手段です。
●労働力を確保しましょう。
 →農業は組み作業が多いので、一人の労力では何もできないこともあります。単身での就農はお勧めしません。